VTR250の手入れ

通勤用にGN125-2Fを新車で買って乗ってたけど、3年ちょっとで飽きてきた
新車を買う金は無いので、ヤフオクでフューエルインジェクション(始動性と燃費が良い)かつキャストホイール(スポークは錆びるから嫌い)の250ccバイクを探したら、 VTR250のFI版、B-styleが開始価格20万円であった。ショップ出品だが業者オークションで入手したまま未チェック未整備の現状渡し。
どうせこの値段では落とせないだろうけど落とせたらお得だな、と入札したら他に入札がなく落札できてしまった。
たぶん自走できるだろうと期待してGWに埼玉のショップに飛行機で行き、(幸い自走できたので)7日間で埼玉から鹿児島港まで野宿ツーしながら沖縄に持って帰ってきた。

1ヶ月かけて整備して乗りやすく改造したのでその記録。


ハンドルバー交換、ハンドガード装着 マフラー フレームガードパイプ ゼルビスのFフェンダーに交換 フォークブーツ取付け リヤサスの泥よけ LEDヘッドライト LEDテールライト ウインカーブザー ブラウンシート張替え ニュートラル騙しスイッチ サイドスタンド底板 スクリーン クラッチハウジング段付き摩耗


ハンドルバー交換、ハンドガード装着

ハンドガードを付けたいが、純正ハンドルはバーエンドが溶接されてて外せない。それとバイクに合わせて黒いハンドルにしたい。
純正なみの幅の狭さで、黒くて、同じくらいの高さのもの・・・T-MAX500用純正ハンドルを見つけた。ヤフオクで2000円。
VTR純正とほぼ同形状。純正より少し高く、少し遠くなる。(ハンドルフルロック時に余裕ができる)

ハンドルカバーを付けるためのステーが溶接されてるので、ディスクグラインダーで削りとった。
すり抜け用にハンドル幅を狭めるため、パイプカッターで両端から3cmカット。

立ちゴケでレバーが折れないようにアルミ芯入りのナックルガードを付ける。
aliexpressで2千円の中国製の安物。

ハンドル幅が広いオフロードバイク用で内側のステーが合わないので、ステンレス板を曲げてステーとの間に挟んだ。



マフラー

通勤仕様なので純正マフラーで不満はなかったんだが、純正エキパイが鉄製なので熱でサビていて、サビ落とし・耐熱塗装してもすぐにまた錆びるのが目に見えてたのでステンレスのに交換する。
ウイルズウィンのフルエキ、ヤフオクで2万5千円。他社のフルエキはリヤバンク側のマニホールドが付かず純正利用のものがあるが、これはリヤ側までステンレスのが付いてる。

純正マフラーを外すが、リヤ側のマニホールドとエキパイが強固に固着してて外れない。
つなぎ目に潤滑スプレー吹いてハンマーで叩くが微動だにしない。
仕方なくディスクグラインダーでエキパイを切断して外した。

純正より軽く軽量化にもなった。
厳しい規制の下JMCA認定なので音は小さく、低音が少し太くなったくらい。

マフラー本体はカーボン製なので、立ちゴケしたとき削れないようにステンレスのマグカップとステンレス金具でガードを作って付けた。



フレームガード

転倒時にレバー・ミラー・ウインカーを保護するため、フレームに付けるガードパイプを装着。
プロスマンレーシングのエンジンガード:タイプ2のブラック。プロスマンのサイトで購入。15,600円+送料。
立ちゴケ程度ならビクともしない頑丈さ。
下のプロジェクターライトを付けるベースとしても使用。



フロントフェンダー延長→ゼルビスのフェンダーに交換(ポン付け)

前輪がはねた水や泥がラジエターにかかるのでフロントフェンダーを延長したいが、VTR用のエクステンダーは売られてない。
標準でエクステンダーがついてるゼルビスの純正フェンダーがたぶんそのまま使えるだろうとヤフオクにて3000円で購入。
スペーサーを入れるだけでポン付けできた。
だがVTR用と比べて後側が2cm長いだけ。泥よけ効果が薄いので、前後逆につけて(ゼルビスは前側のほうが長い) さらに後ろ側についてたエクステンダーを前側に穴をあけて移設した。後ろ側(今は前側)の穴はパテで塞いだ。
これで後ろ側90度までカバーするようになった。



フロントフォークオイル交換、フォークブーツ取付け

中古バイクを買ったら必ずフォークオイルとブレーキフルードを交換する。
外したフォークを上下逆にして一晩置き灰色の臭いオイルを抜き取り、新しいオイルを注ぎ込み。
フォークを外したついでに衝動面の錆び防止にフォークブーツを付けた。
キジマのHD-03213(amazonで4千円)がフォーク径、アウターチューブ径、長さ(サスストローク)ともぴったり。



リヤサスの泥よけ

リヤのインナーフェンダーの既製品があるが高い(ヤフオクで約7000円)ので、 リヤサス部分だけ隠すようにプラ板から泥除けを切り出して付けた。
リヤタイヤ前に飛び出してるバッテリー収納部は2重になってるので、PP用接着剤をぬったくったあと差し込んでねじ止めして固定。
インナーフェンダーに比べると安っぽいけど、機能としては必要十分。



LEDヘッドライト

VTRは発電容量がギリギリらしく、追加電装を付けるので省電力化のため灯火類をLED化。
ヘッドライトのメインはaliexpressのホンダ用7インチLEDヘッドライトユニット。送料無料71ドル。ポジションランプとしてオレンジ色のイカリング付き。

ハイビームが弱いので、補助ランプを取り付け。ハイビームの配線から電力供給。
横長照射のLEDライト、ブルーのイカリング付き。aliexpressで12ドル。上側を照らすように上下逆にしてヘッドライト横に付けた。

スポット。aliexpressで11ドル。フレームガードパイプ左右に2つ付けた。

左がロービーム、右がハイビーム(全点灯)

露出固定・WB固定でロービームとハイビームを撮り比べ。
カメラDMC-G1、レンズM.ZUIKO 12-50mm F3.5-6.3 EZ、感度ISO200、絞りF5、SS1/50、WB太陽光。



LEDテールランプ、ウインカー

テールランプはちょうどいいのが無かったので自作。
放熱用ヒートシンクとアルミ板に貼り付けた中国製1W赤色LED(1つ50円)を4つ直列に接続。赤色はVf2.5V×4つ=10V、バイク電圧13.8Vなので電流制限抵抗テール時189Ω、ブレーキ時20Ω。
ナンバー灯として下向きに中国製3W白LED3つ直列(1つ80円)。明るさを変える必要はないのでブレーキ配線には繋がずテールランプ配線にのみ接続。電流制限抵抗189Ω。
オリジナルのテールランプケースの後ろ側に四角穴を開けヒートシンクを差し込み、隙間はシリコンコーキングで埋めた。


LEDウィンカーはaliexpressで買った中国製の既製品。
コネクタ形状が異なるのでケーブル途中でカットして純正のコネクタをハンダ付け。フロントのポジションケーブルには10Ω抵抗をはさんで接続。
電子ウィンカーリレーもコネクタ形状が異なるので両側端子のケーブルを作って付けた。
ウィンカーの消し忘れ防止にウィンカーブザー。
ブザーを付けただけでは「ピー ピー」とバックブザーのようになるので、「ピッ ピッ」と一瞬だけ鳴るようワンショット回路を組む。
圧電ブザーと5Vリードリレー、電解コンデンサ、チップダイオード、抵抗を組み合わせて空中配線。

サビ防止にシリコンボンドで覆って、ウィンカーインジゲーターの配線に割り込ませ、メーターケースの中に貼り付けた。



シートレザー破れ→張り替え&シートスポンジ形状加工

購入時からシートに穴が開いてたので張り替え。
グロンドマンのVTR用ダークブラウンを8500円で買ったが、これはキャブの旧型用でFIの現行型とは前部の縫い目の形状が違ってた。 縫い目を無視して無理矢理とりつけたので、安い一枚革を買っても同じだったな。
左がシートから外した革、右がグロンドマン。

VTRのシートで気に入らないのは、前下がりなので長時間乗ってると幅の狭い前部に尻がすべり落ちる。
幅の広い後側は中央が盛り上がってて尾てい骨中央に体重がかかるので尻が痛くなる。
後部のスポンジを全体的に削ってレベルを下げ、さらに尻が収まるよう平面にした。
カッターナイフで大まかに切りとって形を出したあと、刃を立ててやすりのように削って仕上げ。

水染み防止のビニール(ゴミ袋)を下に敷き、革は旧型用で形が合わないので強引に引っ張ってタッカーと瞬着で張った。
皺いっさい無しでなかなかきれいに張れた(自画自賛)
後部のスポンジを削ったことで尻が前にすべり落ちにくくなり、尻のおさまりも良くなった。

ブラウンシートのVTR250FIは俺のだけだーと思ってたら、2016年発売のVTR Special Editionで純正ブラウンシートが出てくやしい・・・


ニュートラルスイッチ交換

ギアをニュートラルに入れてもNランプが点いたり点かなかったりする。
ツーリング中に一時停止して写真を撮るとき、アイドリングのままサイドスタンドを出すとエンストするので困る。
サイドスタンドスイッチを殺すのはたたみ忘れが怖い。
ニュートラルスイッチの頭が真鍮製ですぐ摩耗するのが原因。安いものなので純正部品を注文して交換した。(約1200円)
上が新品、下が外したもので頭が削れて平面になってる。



ニュートラル騙しスイッチ追加

上のニュートラルスイッチ交換から3年間で5000kmほど走り、またNランプが点かなくなった。新品に交換したのにもう摩耗したのか。
3年ごとに交換するのも面倒なので、アイドリングしながらサイドスタンドを立てられるように、ニュートラルスイッチを迂回してグラウンドにショートさせる後付けスイッチを付けた。
ニュートラルスイッチ、クラッチスイッチ、サイドスタンドスイッチまわりを理解しやくするための簡単な回路図。
四角+がバッテリー直、丸+がACC。

(スパークユニットの内部回路は公開されておらず、図にあるリレーは原理を理解しやすくするための勝手な想像)
(サービスマニュアルを持っておらず、ネットの荒い図面から読み取ったのでケーブルの色は不明。配線図のとこだけ高精細なデータが欲しい)
矢印の位置に後付けスイッチを付けアースに落とすようにして、ニュートラルに入ってるようにスパークユニットを騙す。
スイッチをONにすればニュートラルランプが点き、サイドスタンドを降ろしてもエンジンが止まらない。(安全のため必要時以外はスイッチOFFが基本)


サイドスタンド底板

サイドスタンドの接地面に溶接されてる鉄板が完全に摩耗してパイプだけ状態になってた。
ヤフオクに出てるVTRスタンドはどれもその状態なので、薄すぎ&軟らかすぎなんだろう。
バイクをリヤスタンドで立てて取外し、ショップで底に適当な鉄板を溶接してもらった。
鉄板切り出しと溶接と塗装仕上げあわせて4300円。溶接機欲しいなぁ



フロントブレーキマスター交換、キャリパーメンテ、スイッチ交換

Fブレーキキャリパーピンのねじ穴がナメてて修理不可能なので、ヤフオクでフロントブレーキ一式を2000円で落札してマスターのみ交換した。
前後ブレーキのピストンとピストンリングとスライドピンを新品に交換、ブレーキフルードの交換。



スクリーン

高速で風が厳しいので、スクリーンつけた。
デイトナのブラストバリアー(ガーニッシュつき)ヤフオクで4000円、バイクの色にあわせて赤黒に塗装。



タイヤ交換

埼玉のショップ出発時にギリギリで、2500km走って鹿児島港に着いた時にはリヤのスリップサインが出て限界。
フロントは3分くらい残ってるが使用期間も不明だし一緒に交換する。
足バイクなので安いタイヤってことでIRCのRX-02、ヤフオクで前後セット送料込13800円。
DUROのHF918が最安値だが(ヤフオクで前後セット6980円)、スクータータイヤみたいなコンパウンドとのレビューを見てやめた。



クラッチすべり→クラッチハウジングとセンタークラッチ段差を研磨

ゼロ発進で半クラからつないでいくと、ある時点で急にクラッチがつながる。
どれだけクラッチレバーをゆっくりリリースしてもそうなる。
クラッチ滑りを疑ったが、スパッと繋ぐと症状は現れない。

クラッチディスクとプレートを収めてるクラッチハウジング・クラッチセンターのかみ合うところが段付き摩耗して、 ディスク・プレートが鉛直方向に動くときにひっかかってる可能性が大。
ディスクとプレートは1枚約800円で7枚ずつ、交換すると1万円以上かかるので、 クランクケースカバーのガスケットだけ注文して、まずは段差の確認をしてみる。

センターロックナットが固くてゆるまない!
ギヤ入れてリヤブレーキを踏みながら渾身の力でレンチを回そうとするが、ダメだ!
レンチのハンドルをガードパイプにひっかけて、車体を前に押してガツンとレンチハンドルをぶつけてみるが、それでもゆるまない

30分ほど格闘してもダメだ。あきらめた。クラッチディスク・プレートを外さずに段差修正する。
段付き摩耗してる赤矢印の部分をデザインナイフで削って修正。

ディスク・プレートの回転方向にガタが出るので次に症状が出たら要交換かな。
(ハウジングとセンター、数万円するんだよなぁ)


その他

エアフィルター交換、エンジンオイル・オイルフィルター交換、スパークプラグ交換、バッテリー交換、ドライブチェーン交換をしたが、普通の作業なので省略。